2016年06月02日

計画は暴れ馬をコントロールするのか

商売柄、「計画」というのを作ることが多い。
企業の「経営計画」というやつである。

しかし経営計画というのは大抵の場合、計画の通りにいくというのがほとんどない。
経営計画は、大企業であれば出資者である株主や債権者である銀行の顔色を思い浮かべて作るのだろう。
そうなると計画の下ブレ、下方修正などという事態は断じて避けたい。
だから計画もいきおい保守的に、堅い線にならざるをえない。

この辺の事情はわたしなどの関与する地域の小さい会社でも同じであって、銀行に向けて提出される経営計画は、いろんな下振れリスクを思い描きながら作ることになる。
しかしあまりにも固く固く計画を作っていると、ふと気がついたら赤字の計画になっていた、ということになりかねないので注意が必要だ。

よく言われる話で日本の企業は7割赤字だというけれど、これは国税庁の統計データで法人税を払っていない会社が7割程度いる、ということでおおむね本当のことらしい。
しかし日本の法人は従業員9人以下の小規模な会社が8割以上あるらしい。
そういう個人企業は、わざと赤字を出して税金を払わないようにするケースも多いだろう。
一方で従業員数が数十人とか数百人規模になってくると、銀行とも本格的に付き合うようになり、本来の会社経営らしくなって利益もそれなりに出さないと格好がつかない、ということになる。
そういう中規模以上の経営になると、利益を出すのに汲々としているところも多い気がする。
だから赤字企業が7割はやや眉唾だとしても、上位何%かの儲かっている会社とそれ以外の苦戦している大多数、という構図はそれなりにあると思われる。

そして銀行から融資を受けようという会社には、イケイケで新しい設備投資するなどというのは少数派で、多くはやや微妙な経営具合のところが多いのではないか。

で、そういう微妙な会社が保守的な経営計画を作ってなおかつ返済原資を確保した十分な利益を出さないといけない。


しかし計画というのは、だいたいどんな種類の計画であってもぴったりその通りにいくということはない。
計画の本来の趣旨は、思い通りにならない未来をなるべく思い通りに近い線になるようコントロールしたい、という点にあると思う。
どっちの方向へ暴走するか分からない「未来」という暴れ馬を、計画を作ることでそれなりに限定された変動幅の範囲に追い込みコントロール下に置く。

だから保守的でかつ必要な利益を確保してある、見ようによってはやや無理な計画が目の前にあったとしても、それで暴れ馬がいくらかおとなしくなるのであればまあそれでいいのではないか、と大きな声では言えないけれど少し思った。
posted by ヤス at 16:01| Comment(0) | 徒然なるままに