2016年05月30日

火星有人探査の可能性

マット・デイモンが主演で作られた映画「オデッセイ」は火星有人探査に行ったチームの一人を残して他のクルーが脱出してしまい、残ったマット・デイモン扮する主人公が救助が来るまでの長い長い期間を生き抜く、という物語である。(映画を見ていないがそうだと思う)

1年ほど前、映画化される前に原作本「火星の人」を電子書籍でたまたま読んだ。
原作本の感想であるが、主人公が自分の排泄物を利用してジャガイモを育てたり探査機値内に残されたありあわせの材料を使って基地を改造したりとか、その描写が非常にリアルで面白かった記憶がある。

人類は1969年のアポロ探査で月への有人探査を成功させたわけだが、月の次に行くとすればそれが火星であることは間違いない。
アメリカのスペースX社のイーロン・マスクも火星に行くことを目標に掲げており、個人的にはかなり夢が膨らむのである。

火星が月の次の有人探査の有力候補である第一は、地球からの距離と火星地表面の環境であろう。
金星はそこそこ近いけれど殺人的な大気圧と高温で着陸はむずかしい。
木星や土星は遠過ぎる、重力が大きい、ガス型惑星なのでそもそも着陸できそうな地表面が無い。
天王星や海王星はさらに絶望的に遠い。
1977年打ち上げのボイジャー2号が天王星に再接近したのが9年後の1986年、海王星が12年後の1989年だったらしい。

その点、地球から火星へ到達するのは燃費問題を無視した最短距離で3ヶ月程度、もっともエコな軌道を使って1年8ヶ月程度らしい。
ちなみに地球が太陽の周りを回る公転軌道の半径は1.5億km、火星の公転半径は2.23億kmだという。
ちなみに木星の公転半径は7.8億km、天王星は28.7億kmらしい。
ちなみに、1億kmの距離はわたしのマラソンのペースで走ったとすると走破するのに9千年以上かかる。
また第二次大戦のドイツ重戦車タイガーT型の主兵装の88mm砲は砲口初速930m毎秒で、この初速で1億km飛ぶと着弾までに34年かかる計算になる。

いずれにせよ太陽系のスケールは圧倒的に大きく、かつ宇宙ロケットが飛翔する速度がタイガー戦車の主砲弾の何倍もあることが分かって感慨深い。

それはともかく。

火星は現代の技術をもってすれば、あるいは近い将来の新技術を使えば行けなくはない距離にある。
有人探査船が着陸して宇宙服に身を包んだ飛行士が歩きまわることも可能であろう。

おそらく最大のネックは費用で、かつてのアポロ計画は現代の貨幣価値に換算して1350億ドル(15兆円弱)を13年間に使ったそうだ。
火星有人探査のコストはある試算では350億ドルというから4兆円弱というのがある。
しかしスペースシャトル計画などでも後で数倍に膨れ上がっているのでやはり10兆円くらいは覚悟しないといけないだろう。

伊勢志摩サミットで景気対策のための財政出動がお題に出される昨今の状況では難しいのかもしれない、と思った。
posted by ヤス at 13:34| Comment(0) | 徒然なるままに