2016年05月07日

縮小ベースへの転換

宇宙は138億年前にビッグバンから始まったという。
最初は針の先ほどの大きさだったものが猛烈な勢いで膨張して、今も膨張が続いている。
個人的に本当か嘘か確かめようも無いけれど、そういう説が主流である。

宇宙の膨張とは少し話が違うけれど、人類文明というのも目下のところ猛烈な勢いで膨張している。
ウィキペディア情報によると、紀元前1万年前頃、文明黎明期とも言えるこの時期の人類の世界人口は百万人〜1千万人、ざっくり数百万人規模と推定されているらしい。
これが西暦ゼロ年頃、イエス・キリストの生誕前後の時代には2〜3億人。
その後千年間、だいたいこの2〜3億人規模のままずっと推移したが13世紀頃から増え始めて16世紀頃には推計値4〜5億人になっている。
ちょうどイスラム世界の拡大、続くモンゴル帝国の成立、さらにルネサンス期を経て大航海時代に至るダイナミックな時代に当たるのでなんとなく納得できる。

その後世界人口は直線的に増加し、西暦1800年頃に10億人に達する。
このくらいの時代になると各種のデータが残っていて、だんだん人口推計が正確になっているようだ。
やがて時代は産業革命に突入して、ヨーロッパやアメリカを中心に生産能力の飛躍時代を迎える。
そして1927年に20億人、1961年30億人、1974年40億人、1987年50億人、1998年60億人、2011年70億人に達したとされる。
今後の予測については21世紀中に100億人突破するかもしれないし、80億人くらいで頭打ちになるかもしれない、と諸説分かれる。

何はともあれ、これまでの人類文明のボリュームは一貫して拡大膨張の歴史だった。
それがひょっとしたら頭打ちになるかも、と考えられるようになったという時点である種のターニングポイントを迎えたような気がする。

これまでは国家経済も、拡大前提で財政計画を作ればよかったのが、ひょっとしたら今後は縮小ベースに変更しないといけないかもしれない。
そういう不安が、先進国を中心にだんだん頭をもたげている。
そして実際に最近十年間くらいは、日本でもヨーロッパでもマイナス成長の年がぽつぽつ発生したりしている。

問題は、これまで人類は拡大ベースの世界史しか経験してこなかったために、縮小ベースでの国家経営のノウハウが十分でないことだ。
こういう場合の国家財政担当者の対応方法は次の二通りに分かれるように思われる。
ひとつはあくまで今後も拡大ベースが続くと信じ、将来の拡大を裏付ける証拠を方々から集めて、これを基に拡大の計画を作り続ける。
もうひとつは縮小ベースに頭を切り替え、縮小ベースの前提の基に持続可能性を追求する。
もちろん後者の方がより難しく、いろんな失敗もたびたび起きるだろう。
そしてこの種の問題は、むしろ地方の中小企業にとっての方が、より深刻かもしれない。

しかしそうこう言っている間も宇宙の膨張は猛烈な勢いで続いている。

果たして縮小ベースでの持続可能性は成立するのか。
という人類史的な問題は、宇宙規模から見ると一瞬のほんの小さな悩みなのであろうなあ、と思ったりした。
posted by ヤス at 14:46| Comment(0) | 徒然なるままに