2016年05月06日

地震保険の等地区分について

ちょっと前に、とあるラジオ番組で熊本地震関連の話題をやっていた。
そこで挙がっていたのが地震保険の料率について。
地震への備えで住宅にかける地震保険の料率は、基本的には建物の構造と地域区分によって決まるということをそのラジオで言っていた。
で、その地域区分が都道府県別に1〜3等の3区分に分かれている。
1等地は保険料が安く3等地は高い、という順番になっている。

この等地区分は、過去の地震発生のデータや活断層の分布などに基づいて決められているらしい。
この等地区分は2007年に改正されたものらしいが、2011年に起きた東日本地震で被害を受けた福島県は2等地、今回の熊本県は1等地になっていた。

保険業界の理屈として、リスクの高いケースは保険料が高く、低リスクなら安くなるというのは理解できる。
ところが地震保険の統治区分の根拠になっている活断層のデータはかなり不完全なものであり、現実の地震発生状況とも噛み合っていない。

これはまた別の報道番組でやっていたが、日本の活断層分布の調査は全国をまんべんなくやっている訳ではないという。
国土地理院が作っている活断層マップの基になる調査は、調査のやり易い場所だけで実施されており、例えば火山堆積物が地表を厚く覆って断層面が見えない火山の周辺地域とか、地質調査船の乗り入れができない沿海部の浅瀬とかは空白地で残っている。
ところがこれらの調査未実施の空白地が、あたかも活断層不在の安全地域であるかのような扱いを受けることになって、地震ハザードマップや保険料率算定の基データにもなっている。

調査未実施地域だらけの不完全なデータがあたかもほぼ完全であるかのように錯覚されて、それによって人々の経済活動に具体的に影響を与えているのだ。
地震保険の料率は、1等地と3等地では保険料が3倍程度になるほどの差が設定されているようであるが、この差がまったく不完全な調査に基づいて、しかも都道府県というかなりの大くくりで設定されているのはいかにも不合理と言わざるを得ない。
例えば1等地の群馬・栃木はそれぞれ3等地の埼玉・茨城と隣り合わせだが、県境をまたぐだけで保険料が3倍になる設定は、乱暴に過ぎるのではないか。

今の技術水準および日本の行政能力では、たぶん地震の予知とか活断層リスクの正確な評価はおそらく不可能なのである。
政府や担当行政はその点についてあらためて周知し、誤ったリスク評価に基づいた地震対策の現状を改善する義務があるのではないか。

今、そういうリアリズムの感覚がものすごく必要ではないかと思った。
posted by ヤス at 15:42| Comment(0) | 徒然なるままに