2016年04月08日

スマホ料金見直し

この4月1日から適用された総務省によるスマホの値引き是正指針。
この指針に基づく指導が、さっそくソフトバンクとドコモに対して出された。

確かこの指針は昨年、日本のスマホ料金は高過ぎるからどうにかせねば、という首相の意向で始まったものと記憶している。
ところがその後、日本のスマホ料金は国際的にそれほど高くないことが知られるようになり、また政府による私企業への経営介入批判もあってその方針が少しづつ変質していったようだ。

おそらく当初は、日本の高過ぎるスマホ料金は引き下げ余地が十分にあり、政治の力でこれを実現できると考えたのだろう。
その結果特にスマホの中心ユーザー層である40代以下の若年層において、政権支持者を増やすことが出来るかもしれない。
またスマホ料金の値下げ分が可処分所得に回れば景気浮揚効果も期待出来る。
そんな考えだったのだろう。

ドコモ、au、ソフトバンクの利益水準は極めて高いので値下げ余力は確かにある。
だがいかに現政府の権力が絶大であったとしても、資本主義の世界においては民間企業の利益を勝手に削る芸当は出来ない。
その発想は社会主義そのものであって、現政権の基本理念と矛盾する。

どうやら途中でその点に気付いたらしく、問題の中心は単純値下げから料金不公平の是正に移った。
日本の携帯料金は、新規ユーザーや乗り換えユーザーを過剰に優遇しておりその優遇原資に既存ユーザーからの利益が「流用」されている、という風に変わったようである。

具体策としては端末料金の過激な値下げを制限すること、パケットをあまり使わないライトユーザー向けの料金を設定することの2点に絞られたと見える。

これは意訳すると、スマホの頻繁な買い替えを止めましょう、また四六時中スマホいじりしてムダなパケット浪費を節約し、その分自動車を買ったりレストランに美味しいものを食べに行ってスマホ以外で日本の消費拡大に貢献しましょう、という風に解釈出来る。

あるいはスマホ市場で大きなシェアを持つアップルなどの外国企業が念頭にあったのかもしれない。
スマホの買い替え市場を縮小すると、アップルによる日本の消費市場からの収奪をいくらか防ぐことが出来る。
ただ同時に、細々と国産スマホを製造しているソニー、シャープなどの国内端末メーカーにはとどめの一撃になる可能性が大きい。

おそらく今回の携帯料金に関する措置は、たいして政権支持の上昇にも繋がらず、消費市場の活性化ももたらさない公算が強い。
政治的にも経済的にも効果なく、やがて政府も興味を失って元の木阿弥になるような気配が濃厚だと感じる。
政府が当初目指した内容は、通信市場の新規参入促進によってのみ可能である。
が、今の所そういうことが始まりそうな気配もない。
だからたぶん、ドコモ、au、ソフトバンクは当分安泰である。
posted by ヤス at 08:22| Comment(0) | 徒然なるままに