2016年02月27日

曲がり角

今、日本の経済は大きな曲がり角に来ているように思う。

経済や産業の「曲がり角論」はしばらく前から言われていて今さらな話のような気もする。
だが過去10年、20年のくくりで見ても、最近の1、2年が大きな転機であろうことはたぶん間違いない。

まず、アメリカで利上げが実現した。
このまま順調に段階的な利上げが進むかどうかは分からないが、しかしひとつ言えるのは、アメリカはもう金融緩和時代に逆戻りすることはないということだ。

今、為替が円高になったり、金や資源価格が乱高下したりというのも、新しい経済秩序の中で投機マネーが行き場を探しているのだろう。



思えば最初の大きな曲がり角は1990年頃の東西冷戦終結であった。
この時を境に、中国や東ヨーロッパの安い労働力が「西側経済」の製造セクターに一気に流入してきた。
同時に、ユニクロのように日本で企画した製品を海外(中国)で作って日本で売る、という海外生産モデルというのが流行りだした。

1990年代は、日本の製造業が順調に基礎体力を失っていった10年だった。
2000年頃に、日本もインターネット関連の新しい産業が勃興する雰囲気が一時漂ったが、アメリカ発のドットコムバブル崩壊で一気に水を差された。
そして小泉政権下、最初の大規模な金融緩和が行われ急激な「円安誘導」が実現した。
アメリカでは円安で価格競争力を増したトヨタをはじめとした日本製造業の製品はがバカ売れし、それらの企業は歴史的な好決算を連発した。
青息吐息だった日本の国家財政は法人税の急増で潤いプライマリーバランスの黒字化も目前と思われた。
シャープやパナソニックやソニーなどの「好調な」電機メーカーも国内に大規模な製造拠点投資を行った。

そしてこのとき円安を起点にして大量の投機マネーが発生して未曽有のバブルを引き起こし、結局2008年のリーマンショックですべてが崩壊した。


2000年代中盤の狂乱は、「既に死んでいる」日本の製造業を10年ばかり延命し、2014年以降の大規模金融緩和はさらにそれを延ばそうとする試みであったと思われる。
だが、国際競争力の残っていた自動車産業以外は惨憺たる有り様で、この度ついにシャープがギブアップした。
東芝も時間の問題だろう。
日立やパナソニックもどうなるか分からない。
意外なことに、脱電器屋を進めていたソニーが唯一生き残りそうな情勢である。
たぶんこれから名のある製造業の大会社がひとつまたひとつ、消えていくのではないか。
従来型の大企業が消えていけば銀行だってどうなるか分かるまい。

そうして日本の世の中もやっと、産業の新陳代謝が始まるのではないか。
パソコンひとつ持っただけの個人企業の時代が始まるのではないか。

その曲がり角がやっと来たのではないか。
そういう気がする。
posted by ヤス at 15:30| Comment(0) | 徒然なるままに