2016年02月21日

丸山発言

先週の17日に開かれた憲法審査会での丸山参議院議員の発言が問題になっている。

いくつかの報道を見たけれど、この発言そのものは差別意識などに基づいて発せられたものではないようである。
どちらかというと、アメリカという国に対する憧憬や極端な畏敬の念が原因となって出てきたもののように読み取れる。

わたしは丸山議員の支持者でもないし、初めて報道を耳にしたときは、また失言が出たかと多少呆れた。
だが発言の前後の内容を読む限り、丸山議員は黒人に対する差別意識を持っていないことはまあ理解できるのである。

ただし過去の失言報道に鑑みても、この手の発言は部分的に切り取られてひとつの極論として世間に広まる傾向がある。
発言に際してそういう注意深さは当然必要な場面であったと思われるが、丸山議員の中ではアメリカへの尊崇の念があふれかえっていてそれどころではなかったと見える。

むしろ彼の発言で問題とされるべきは、話の前段のもし日本がアメリカの51番目の州になったら、という例え話の部分であろう。
日本がアメリカ領になったら日米安保問題も拉致問題も、破産寸前の日本の財政規律問題もすべて解決できるのではないか。
それどころか、(アメリカに属した後の)日本は、上院・下院とも最大の議員選出州になる可能性が高い。
したがって日本州から大統領が輩出される可能性もまた高い、そうである。

わたしは、今の日本の政府与党のあり方については大いに意見がある。
可能ならば、今のアメリカ依存の体制から、もっと欧州や中国、ロシア、アジア諸国と等距離になる方向で外交努力がなされるべきだと思う。
アメリカは現状頭一つ抜けた「超大国」であるとは思うが、政治においても経済においても「アメリカ式」が今後何十年も続けて通用するとは思えない。
当のアメリカの政治家も、その多くがアメリカ式の限界について考え初めているのではないか。

そこへきて、この日本がアメリカの51番目の州になる発言。
今更の日本のアメリカへの一体化の発想に、ものすごく時代錯誤を感じる。

まあこの話がある種の自虐ネタで、そのオチは日本州が大統領選出州になって結果日本が世界を牛耳ることが出来る、ということなのかもしれないが、それはそれでアメリカをバカにしている。


丸山議員は、人種差別を乗り越えてきたアメリカは素晴らしいという発言だ、と言い訳している。
そして彼の発言内容からはその趣旨は読み取れなくもない。

ただしもう一段彼の深層心理を掘り下げたときに、何かもう少し違ったアメリカへの複雑な感情があるような気がするのである。
posted by ヤス at 10:59| Comment(0) | 徒然なるままに