2016年02月12日

予測することについて


今朝はまた急速に進みつつある円高ドル安を受けて、日経平均がだだ下がりになっている。
経験的に円ドル相場が1円動くと日経平均が300円〜500円動くことが分かっている。
だから今朝の日経平均の下げについては、あらかじめ多くの人が予見していたと思われる。

しかしこうなる一つ前の段階の日銀のマイナス金利導入発表時、この時は多くの人が今後はまた円安基調に戻ることを想像しただろう。
12月にまずドルの方が利上げして、さらに円が利下げしたのである。
ところが相対的に金利の下がった通貨の需要が減って相場が安くなる、という当たり前の予測を現実は裏切って、今このような状況になっている。

ただこの不思議な現象については多くの識者があらかじめ予想しており、昨年末からそういう記事はけっこう見かけた。

目下わたしがいちばんなるほどなあと思った意見は、3月に予定されていたアメリカの追加利上げが見送りになると多くの人が予想し始めたため、というものだ。

アメリカの景気が予想外に冷え込み、追加利上げは出来ないだろう。
それが世間の共通了解事項になっている。
大きなドル高要因が人々の「予想の中で」無くなったのでドル安に振れている。
その理屈がいちばんなるほどと思った。

まだ実現していない未来が現在を動かしている。


話は変わるが、経営における顧客満足の理屈の中に、「事前期待」という概念がある。
結果として購入した商品やサービスが同じでも、事前にその商品に対する期待が高いか低いかでお客さんの満足度が左右される。
商品を売りたい気持ちが先走るあまり、目一杯に商品のアピールポイントを流布する、時に誇大広告気味に宣伝していると、購入した人は思ったほどではなかったなと感じる。
逆に、たまたま何の期待も持たずに買ったものが少し良かったりすると、思いのほか満足が高まる。


どうも人間というのは、あらゆる場面で未来に起こる出来事を想像してしまう癖があるようだ。

未来についての想像は、中には論理的に緻密に予測されたものもあるだろうが、一方では普通の人々のなんとなくの希望的観測とかぼんやりした予感のようなものが圧倒的多数を占めるだろう。

そういう、人々の雑多な未来予測が現実に今を動かしている。
おそらく政府も日銀も、それぞれの立場でそれぞれの目的で人々の予測を動かそうと苦心しているように見える。

ちょっと前のネットニュースの見出しに「心配事の96%は現実に起こらない」っていうのがあったのを今思い出した。

人間は知らず知らずの内に未来を予測し、そのたびに一喜一憂する生き物であるようだ。
まあ出来ることなら無駄な心配はしたくないものだなあ、と思った。
posted by ヤス at 11:11| Comment(0) | 徒然なるままに