2016年01月26日

廃棄カツ横流しで思うこと

さて、わたしとしては、ふたつの大きな芸能ネタに気をとられるあまり注意が疎かになっていたのだが、例の廃棄カツの横流し事件について少し考えてみる。

ネットで見つけた記事によると、昨年10月に壱番屋がダイコーに廃棄委託したビーフカツ5.6トンのうちの5トンをみのりフーズに80万円で売ったとある。
横流し商品は108品目だそうだが他にも「余罪」はあるんじゃなかろうか。
とりあえずこの5トンのビーフカツ、割り算すると100グラムあたり卸値16円である。

さっきAmazonで冷凍カツを検索したら95グラム×10個入りが1680円だった。
こっちは100グラムあたり約170円。

スーパーの店頭でビーフカツかいくらで売られていたのかよくわからないのだが、1個100グラムとして100円でも十分安い。
仮に店頭で80円で売られたとすると、ダイコーからの「卸値」80万円のカツは流通各社に320万円の利益をもたらしたことになる。

確かに、もともと捨てるものだから利益率は高く、日常的に薄利多売の商売をしているスーパー業界としては魅力的な商品だったかもしれない。

だが見方を変えると、元がタダにしては5トンも売ってこの程度しか儲からないのか、という風にも思えるのである。

だいたい冷凍食品というのは、きちんと製造された正規の商品でも驚くほど安いと思う。
業務用の商品では、メンチカツとか鶏唐揚げとか100グラムあたり50円とか60円とか普通である。
その値段の中に、原材料費と製造設備の償却と人件費、物流費、そして多少の利益が入っている。

たぶんそういうのは、大規模な工場で鬼のようなスピードで製造している。
鬼のスピードによって相対的に設備費と人件費を極小化しているのであろう。


工場で大量生産された加工食品は驚くほど安い価格で提供され、その恩恵を我々消費者は受けている。
だが異物混入などのトラブル時にはロットごと大量に廃棄が生じる。
これはなんとももったいない話に思える。

たぶんニュース映像に登場している被疑者のおじいさんも、捨てるのはもったいないから再度流通させたのだ、というような正義の気分が多少ともあったのではないか。

まあゴミとして廃棄(本来は堆肥化される予定だったらしい)されるものを内緒で販売し、しかも長時間常温にさらされたものを再冷凍するというえげつない状態で販売したことの罪は極めて重大であると思う。

だが一方で食品の大量生産に伴う廃棄ロスのもったいなさは、個人的にかなり気になる。



食べ物というのは、なるべく食べる直前に調理して加熱したのが美味しいに決まっている。
食品製造の「工場化」はどうしても製造後時間の経過したものを食べるはめになり、その意味で原料の実力からかなり劣化したものを食べているといえる。

だから今後調理ロボットみたいなものが発達していったとしたら、未来の食の業界は現場調理に回帰していくのではないかと期待する。

現在は、お菓子屋もパン屋も学校給食なんかも、大規模工場で大量製造して各地に配送する方式が安くて効率がよいとされているのかもしれないが、そういうのは20世紀的発想であり、なんだか非人間的に思えるのである。

というようなことをマクドでハンバーガーを喰らいながら書いている。
もし50年後もマクドが潰れてなかったら、たぶん全面現場調理になっているのではないか。
と、少し期待してみる。
posted by ヤス at 14:50| Comment(0) | 徒然なるままに