2016年01月22日

電話帳の分厚い束

この間、ある家の戸口にビニール袋に入れられたNTTの電話帳が立てかけられているのを目撃した。

わたしは個人的には、NTTの固定回線のお世話にならなくなって久しいので、あのタウンページとハローページの分厚い束に触れる機会がめっきり無くなっていた。
ただ今でもNTTの固定回線を使っている家庭や会社はたくさんあるだろうから、あの分厚い紙の束は以前と変わらず年に一回のペースで配達されているのであろう。

そんな当たり前の日常にあらためて気づかされたのである。

だが、実際のところ、今でも電話帳をめくって電話番号を調べている人というのはどれくらいいるのだろうか。
わたしが最後に電話帳をめくったのは何年前だったかも、もはや思い出せないくらい昔のことだ。

確かに今でも、スマホはおろか携帯電話も持たず、インターネットを覗いたこともない、というような人は、高齢者を中心にまだまだたくさんいるのだろう。
たぶん総人口の1割くらいはいるのかもしれない。
そういう人たちは、昔と変わらず今でも電話帳をめくっているだろう。

20年以上昔、広島で広告会社にいたころに、電話帳印刷の会社がクライアントの仕事で広報誌製作をやっていたことがある。
そこで電話帳とかNTTの請求書の印刷とかを専業でやっているグループ会社というものの存在を知ったが、その会社は今どうなっているのだろうと少し気になった。
ネットで調べてみると、各地にあったそれらの会社は何年か前に統合し、今では電子出版やWeb関連の業務もやっているらしい。
電話帳印刷の方は発行部数も最盛期の数分の一になっているらしいがまだ続けるようだ。

発行部数が減れば広告収益も減って採算的に厳しいだろう。
それでもなおかつ継続しているのは、顧客へのサービス精神なのか単なる惰性であるのか、それはよく分からない。

NTTと言えば、かつては叩いても揺すってもびくともしない堅固な会社であると思っていた。
そのイメージは携帯電話時代になってもしばらく揺るがず、端末メーカーも含めて多くの関連会社を従えて、これから百年くらいは無敵の存在であり続けるのだろう、と思わずにはいられなかった。
それが自由化でじわじわとシェアを失い、iモードの成功を活かしきれず、スマホ時代への対応に後れをとり、海外へのM&A投資はことごとく失敗している。

この調子でいくと、10年くらいしたらもうどうなっているか分からない、会社が無くなっているんじゃないか、社名が変わってるんじゃないか、と思ったりする。

まったく21世紀の世の中は一寸先は闇であるなあと、電話帳の束を久しぶりに見て思った。
posted by ヤス at 11:41| Comment(0) | 徒然なるままに