2015年12月10日

法人減税

法人税率が下がるようだ。

法人実効税率が下がる代わりに外形課税の割合を増やすようでもある。
外形課税は企業がたとえ赤字でもかかる。

全企業の7割が赤字と言われているから当然反発も予想されるが、これに対しては赤字企業の多くを占める中堅企業に配慮する、つまりなんらかの支援策の実施によって乗り切る方針のようである。

これは企業の立場に立つならば、当然歓迎すべき方向性のように思われる。
特にずっと黒字を続けている企業にとってはメリットは大きい。
一方で赤字体質の企業にとっては厳しい話になる。

中堅企業への支援策がどのような内容になるか知らないが、上記の方向性は悪いことではないと思う。
赤字体質企業の退場が促進されることで、産業全体の新陳代謝の活性化が期待出来るからだ。


しかしもうひとつ、減税の目的とされる賃金アップ、設備投資拡大については、たぶん効果はない。

どちらかというと、法人減税によって賃金圧縮、設備投資縮小の力が働くのではないかとさえ思える。

税率が高い状態で多額の利益を出すと、多額の税金を持って行かれる。
だから黒字が予想される企業では、利益を圧縮するためにクルマを買ったりパソコンを買い換えたり従業員のボーナスをはずんだりして費用を増やそうとする。
少なくともわたしの周辺の企業ではそうするところが多い。

でも税率が下がると前より利益が出しやすくなる。
費用を上積みして利益を圧縮しようとする動機が減税分だけ減るのではないだろうか。

というのが、法人減税によって賃金アップ、設備投資拡大が実現するという説明に対する素朴な疑問だ。

法人減税は、儲かっている企業の経営者や株主の立場ではデメリットはまったく無いだろう。
利益を出しやすくなれば、内部留保をさらに積み増ししやすくなる。
そうなれば株価もさらに上がるだろう。
また、損金計上されない土地の購入や銀行借入の返済を促進する効果もあるかもしれない。
そうなると土地が上がり、銀行の企業貸付残高が減少することになる。

しかし世の中の多くの儲かっていない赤字体質の中小企業や従業員の立場にある一般市民にとっては必ずしも良い話ばかりではないと思う。

わたしは法人減税には必ずしも反対ではないが、今聞こえてくる話はかなり脳天気なものばかりであるのが物凄く気になる。
posted by ヤス at 11:34| 徒然なるままに